1日での変化
(2000年/00/00/年始めから数年後の春)
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単にツイてない出来事が多く自責状態になり気味で気持ちは滅入っていた。
気分転換にと自宅部屋を離れ1日実家へ帰省、泊まり寝る。談笑のある通常な家庭時間を過ごすことで気持ちも少し落ち着いた。
リフレッシュして礼を述べ帰宅する。
到着し鍵を差し玄関を開けた、そこから続く廊下、何かがある。
廊下の明かりをつけ凝視してみると、左右に分かれて天井から蜘蛛の巣が密集したまま壁へと伸びており垂れ幕状で5か所ほど形成されていた。
たった1日、数時間、何故こんな事になるのか。これまで蜘蛛被害など遭ってもなかったというのに不審を感じながら丈を長くして丸めた新聞紙で仕方なく取り払わないと不気味で他の部屋に行けない。
そうして不快な作業を終えキッチンへ向かい家族と話しながら食事作りにと冷蔵庫を開けた。
何か見てはいけない見たこともない何かが見え危険を感じ咄嗟にドアを閉める、もしかすると錯覚だったのかと疑い再度ドアを開いてみる。
有り得なさ過ぎて動作を止めた、確認すると庫内の左右壁に数ミリメートルから1センチメートルの鮮やかで濃いオレンジ色の巻き貝がびっちりと張り付いている。単純に怖くてドアを閉じる。
行動を振り返っても、夜部屋出て夕方帰宅まで24時間もない時でこれだけ部屋の変化があるのか自問自答してみても害虫被害や食品腐敗も常識としてあり得るはずもない。
掃除後のはずがホコリだらけになっている廊下、異型の蜘蛛の巣、食品は腐っておらず冷蔵庫内左右壁に鮮やかなオレンジ色の細長い巻き貝の発生。いや有り得ない、また非常識な何かを目撃して現実にそれが起きているというのに手応えも答えもなく怯える感情を抑えることに精一杯だった。専門家に連絡して調べてもらおう等の選択肢など正常性を保つことを優先するばかりで追いつけてもいない。
夜も迫っていて空腹であったので意を決し軍手をして謎の巻き貝を撫で落とすと内部に生物が詰まってはいたようでも単に殻の貝を袋で揺らしたかのような「ジャラジャラ」と乾いた音がしていた。蜘蛛の巣と使用済み新聞紙を捨てていたゴミ袋にその貝集めた。
もう関係した人物たちは思い出したくないと言う。
ー RAINBOW ー